片道きっぷ
帰りたくて帰りたくて
耳ふさいだ
哀しい音色あの日の感情が
消えないんだよ
手を伸ばして触れてみたいけど
届かないんだ
目に見えるもの全て幻想で
古いアルバムの中に
光る自分を見たんだ
何も知らないころの僕は何故
嬉しそうに笑う
知りたいって目を懲らして
掴んできたんだ
手にした切符握りしめて
ふと抜けたあそこのネジが
見当たらないんだよ
ただ一つ
あの日から僕は
帰りたくて帰りたくて
叫んでるんだ
誰かの愛情手に取れなくて
もどかしい日々
消えた照明に枯れた運命は
もう戻らない
手にしたのは片道きっぷです
時間(とき)が僕を急かす
いつか帰ってくるからと
そんな約束もしたっけ
でもね守れそうにない
もう僕が離れてゆく
知らぬ間に作られた迷路
次はどっちだい
正解(こたえ)なんて知るはずもない
踏み出したその一歩で見えた景色は
何色だい
求めてた色(それ)ですか
帰りたくて帰りたくて
もがいた今日は綺麗でしょうか
意味はあるんですか
分からないんだよ
響く喧騒膨らむ焦躁が
迫り来る
手にしたのは片道きっぷです
休むことなく進む
他人が言った
「君ならできる」
それは本当?
分からないんだ
誰かのことも自分のことも
息を吸って音にしたけど
けど届かない
あの日の僕が綺麗に笑う
帰りたいの?もう帰りたいよ ねぇ
どこにいるの
白旗振って嘆いてみたって
返事はない
明日はきっと求めた色が
僕を染める
だから今も片道きっぷを
握りしめて走る
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